| 創業嘉永5年(1852年)。大和国から江戸に出て、武家内職で覚えた番傘や提灯に文字を書き売ったのが傘長のはじまりです。傘長で主に書いていた文字は、提灯や番傘など、凹凸のある場所に書いていましたので「籠字」です。籠字とは、輪郭をとって中を塗りつぶす手法の創り文字です。
三代目、前川豊吉(写真上)の時代のヤッチャバ(神田の青果市場)は、東洋一と云われた市場の全盛期で、人の行き交いが激しく活気に溢れていました。どこの商店も店の屋号入りの番傘を沢山用意していたので、番傘が良く売れたそうです。また提灯や招木の看板、開店用のビラやチラシ、大入額の金文字入れなど商売に彩りをだす仕事が多かったそうです。
四代目、前川巳代三(写真下)が継いた昭和30年頃は、商店の番傘や提灯の需要が減っていく時代でした。それでも提灯を注文してくださるお客様がいましたが、「提灯だけでなく、もっとお客様の「暮らし」に根ざした物づくりをしなければならない」と商品を現代化するアイデアを考えたそうです。「暮らしの中に江戸文字を」とインテリア小物にもなる、ミニ提灯・ミニ番傘・ミニ凧などオリジナル商品を考え、「江戸趣味紙工芸品」という新たなギフト商品をつくりました。ちょうどその頃、「民芸ブーム」「手作りブーム」が有り、後押しされるかたちで沢山売れたそうです。また「江戸趣味紙工芸品」にとどまらず、扇子・団扇・木札など色んなところに文字を描いて売っていたそうです。
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